ご入園、進級、おめでとうございます。

 平成31年度も、教職員一同、子どもたちのために一生懸命努力させていただきます。 よろしくお願い致します。

 

 さて、当園の西門入口にそびえる桜の木は、樹齢約50年です。 50年前は、細い枝のような幹だったことを覚えています。 それが今では、幼稚園のシンボルのような樹木になりました。 昭和、平成、令和と時代を生きる樹木に、歴史を感じています。そして、暑さ寒さ、風雨に耐えながら、美しい花を咲かせる桜の木から、力強さも感じています。 幼稚園のシンボルの桜の木は、しっかりと根が伸びていることと想います。

 

 幼児教育は、すぐに花を咲かせる活動ではありません。 満開の桜の木を見ながら、時代の変化にも対応できる「大きな根を張る幼児教育」がしたいと想っています。

 

 3月は大リーガーのイチローが引退し、替わりに大相撲・貴景勝が大関になり、年号だけではなくヒーローも時代に合わせた入れ替わりがあることが判りました。 しかし、時代が変化しても、変わっていないことがあります。 イチローは「努力は裏切らない」「昨日の自分に勝つ」と発言し、貴景勝は「相撲道精神を大切にしている」「勝っても奢るな、負けても腐るな」と時代を創る人たちの「努力を惜しまない、ひたむきな言葉」には変化がありません。

 

 昨今は、個性を生かした生き方が求められています。 2020東京オリンピックを例にすると、新しい競技として、空手、スケートボード、サーフィン、スポーツクライミングなどが加わりました。 選ばれない種目があり、新しい種目が生まれています。

 

 このような変化を「時代の変化」と呼ぶのでしょう。 だからと言って、幼児期に新しい種目を本格的に指導すべきでしょうか。 両親に特別な才能があり、指導力が優れている家庭の子どもは、幼いころから特化した種目に磨きをかけることがあります。 しかし、大多数の子どもは、色々な遊びを経験しながら得意分野を見つけていきます。 そのときに、両親や周囲の人たちのアドバイスが貴重になります。

 

 イチローの父親は野球選手ではありません。また、貴景勝の父親は大相撲出身ではありません。ですから、両親としての技術的アドバイスには、限界があったはずです。 すると、野球を選択したり、相撲を選択したりするには、子ども自身に葛藤があったに違いありません。 それでも、二人の両親は「子どもの夢を叶えてあげたい」と想い、生活面、金銭面、精神面でも応援を続けていました。 時代は変化していますが、親心には変わりはありません。 両親としては、消えていくスポーツや職業があることから、どんな事態になろうとも克服できる精神力、体力、努力すること、そして「勝っても奢らない、負けても腐らないこと」を、幼いときに教えていたに違いありません。 イチローや貴景勝が発した言葉は、日頃から、両親、師匠、身近な人生の先輩が、発していた言葉だったと想います。

 

 現在、大相撲大阪場所で、横綱白鵬が優勝インタビューのときに「三本締め」をしたことが問題になっています。 白鵬は15歳のときに日本に来ていますが、幼いときはモンゴルで生活していることから、モンゴル文化が根底にあるようです。

 

 日本は、これから外国人労働者の受け入れが始まります。 外国文化が染みついた人たちが、数多く日本で生活するようなります。すると、日本文化より自国文化を優先し、日本文化より合理性が重視されるような気がします。 イチローが、日本でも米国でも慕われたのは、和の心を大切にし、「自分に勝つ」という武士道精神が、米国でも評価されたからに違いありません。

 

 昔、テレビドラマに「姿三四郎」がありました。 その主題歌の歌詞は「人に勝つより 自分に勝てと 言われた言葉が 胸に染む つらい修行と 弱音を吐くな 月が笑うぞ 三四郎」がありました。 イチローが、50歳まで現役を続ける意思があったのも「人生は自分との戦い」であることを証明したかったのかも知れません。

 

 私は、日本のグローバル化により「日本文化と、日本人としての心の中の魂が薄れるのではないか」と心配しています。 それを呼び覚ます、万葉集を基にした「令和」への元号改定のように思えます。 外国人は「大震災でも物の奪い合いのない日本」に驚嘆しています。 日本人は、共生社会を受け容れる寛大な心を持ち、集団を大切にする文化があります。相手を思いやる文化があります。

 

 当園は、幼児教育を通じて、家族や友だちを大切にする、優しさと思いやりのある子どもたちを育てたいと思っています。 神明幼稚園シンボルの満開の桜を見ながら、52年目の幼稚園を開始させていただきます。

 競泳・池江璃花子選手が白血病に、タレント・堀ちえみさんが舌がんの病に侵されたことが報じられ、驚きとともに完治を祈る声が聞こえてきます。特に、池江選手の祖母が「水泳より命が大切、私より先に逝かないで」と発言する、悲痛な祈りの声を聞くと目頭が熱くなります。是非、ふたりとも、時間をかけても健康を取り戻して欲しいと想っています。

 

 さて、教育関係者として昨今の話題は「児童虐待」です。千葉県野田市での児童虐待事件を受け、国会議員が「児童虐待」を無くす法律案を提起しています。

 

 「罪を重くする」「社会で見守る」「児童相談所の対応を厳格にする」「児童相談員を増員する」などが明記されるものと想います。しかし、そのような対応だけで「児童虐待」を防ぐことができるでしょうか?

 

 ごく普通の家庭でも、子どもと接する中で「駄々をこねる子ども」に、きつく言うことがあります。私(園長)自身、子どもの頃、親に叱られ「玄関の外」で泣いた記憶があります。そのようなとき、隣のおばさんから「こうちゃん(園長の子どもの頃の愛称)どうしたの」と諭された記憶があります。

 

 しかし現代は、近隣の人たちと「コミュニティーを作ること」に抵抗を感じる人が多くなっています。プライバシーが尊重され、個人の自由があり、近隣の人に声がかけられない世の中になってしまいました。また、小学校のPTA活動に参加しない家庭もあり、「無関心」「要求するが協力しない家庭」が増えています。

 

 「ふるさと納税」という制度があります。「生まれ故郷に税金を納める制度」と想っていましたが、故郷でなくとも特産品がもらえる制度であり、「コミュニティー」を求める制度ではなかったことが残念でなりません。

 

 シンガーソングライター・小椋佳の「遠きにありて」の歌に、「きっと いい人がいる きっと いいことがある この町を出て 夢の古里へ行こう」という歌詞があります。この歌を題材にしたドラマがありました。そのドラマの結末は「今、住んでいる町が一番いい町」ということでした。住んでいる町が住みにくいと感じるのは、町に責任があるのではなく、コミュニティーから逃げる人の心の中にあることを教えたドラマでした。

 今、幼児教育界では「みんな違ってそれでいい」という考え方が横行しています。確かに「個性は尊重されるべき」です。しかし、社会性を身につけるべき幼児教育は、「同じ体験をすることで、喜びが共有できて楽しかった」と教えるべきです。「周囲の人との違いを見つける」のではなく、「想いが一緒であること」を指導しなければ、まとまりのない社会になってしまいます。

 

 これから益々、自由尊重の時代に突入します。だからこそ今、家族や地域コミュニティーを大切にしなければなりません。

 

 国際化といえども、日本の国がまとまらなければ、「船頭多くして船山に登る」になってしまいます。まとまらない国にならないために、子どもたちの仲間作り、父母様たちの仲間作りが、幼児教育や子育てには必要です。そして、これらは「幼稚園だけ」がするのではありません。家庭と地域が一体となり、船橋から児童虐待を出さない地域にするのです。そして、日本全体としても「子どもが一番大切」と言える国、そのための行動ができる人たちを「育てる国」にすることが、国際化の波を乗り切る最善の方法と想っています。

 

<参考資料>小椋佳「遠きにありて」:youtube

https://www.youtube.com/watch?v=zDIcdm4K3DQ

 3月は春を迎える嬉しさと、別れの季節の寂しさがあり、複雑な想いがあります。「別れ」と言っても前途有望な園児たちの飛躍です。当園での経験を生かし、小学校へ入学してからも「しんめいパワー」で、困難があっても全力で切り開いて欲しいと想っています。  

 

 さて今期は、いつもと違った3学期がありました。第3グランドが完成し、かけっこ・ドッチボール・凧揚げと、いつも以上に元気な子どもたちを見ることができました。厳密には「(仮称)セミナーハウス・課外教室」を建築するため「一時完成」の第3グランドと第3駐車場ですが、今後は子どもたちの遊び場、父母様には駐車場として使用いただき利便性向上を図りたいと想っています。

 

 30年度3学期は1/8始業式から始まりました。 1/10は船橋市消防署立ち会いによる避難訓練を行い、年長児が消防車スケッチ、年中少が防火映画鑑賞、教員が消火訓練を行い、火災の怖さを体験しました。後日(1/29)、園児たちは起振体験・煙中体験も行い、地震や煙の怖さも知りました。 日頃から、園全体で安全には細心の注意を払い教育活動を実施する所存です。

 

 1/11は鏡開きがありました。 12月の餅つき大会で「ついた餅」を、父母様に鏡餅にしていただき、その鏡餅を開いて(割って)、1年の健康を祈りお雑煮を会食しました。 よほど美味しかったのか、お雑煮が「あっという間に無くなり」子どもたちの元気を感じました。

 

 1月は1年まとめの参観がありました。 子どもたちは、日頃の様子を父母様に見ていただく緊張感がありましたが、父母様の前で発表ができたことに満足な笑顔がありました。

 

 2月は、寒さの中でも元気いっぱい「豆まき」をして、心の中の弱虫鬼、泣き虫鬼・・・を退治しました。 その甲斐あって、北風吹く中でも、縄跳びを練習し、跳ぶ回数を増やしました。

 

 1月後半は、年長が1クラスずつ職業体験施設「カンドゥー」へ行きました。警察官、パイロット、アイスクリーム屋さんなど、沢山の職業を体験し、少し大人になった顔がありました。 年長は、自分で作ったお茶碗で、お茶を点てる「茶道」がありました。少し足がしびれたようですが、講師の先生が話す「和敬清寂」の意味が理解でき、少し大人になった気分を味わいました。

 

 2月のメイン行事に作品展2/17がありました。どのクラス、どの園児も上手に作品を仕上げ、 父母様から「子どもたちの感性の素晴らしさ」に賞賛の声をいただきました。体育館では、親子作品、陶芸クラブ作品が並び「温かい家族」を想う作品展となりました。 他2月は、思い出遠足として、年長は、JRとモノレールを乗り継ぎ、千葉動物園へ行きました。 電車の中では、一般の人たちの迷惑にならない配慮がありましたが、友だちと一緒の座席に腰掛ける嬉しさがあり、楽しい会話がありました。 動物園では山羊や羊とふれあい楽しい時間を過ごしました。帰りの電車の中では疲れてしまったのか、満足そうな寝顔も見ることができました。 年中少は、市川動物園へ行きました。 牛を見ていたとき、ひとりの子が「いつも牛乳ありかどう」と発しました。すると、その声につられ、周りの子どもたちからも「牛さんに感謝する声」があり優しい園児たちを感じました。

 

 3月になり、ひな祭り・小学校見学・お別れ会を行い、他、年長マジックハンド作り、親子お料理教室なども楽しみました。 そして今は、小学校入学や進級を楽しみに待つ子どもたちです。