今年の秋の話題は「台風」になってしまいました。

 

 台風15号で房総半島が壊滅状態になり、台風19号で追い打ちをかけられ、自然の驚異を知らされました。 台風のような天災を克服するのは、人間同士が協力することが大切です。

 

 昨今、個人主義の台頭がありますが、幼児教育こそ「協力」を指導すべきと想っています。 運動会では、マーチング、パラバルーン、クラス対抗リレー、玉入れ、親子競技など、ひとりではできない競技を沢山経験しました。 こどもたちは、言葉で「仲間」を知るのではなく、体験を通して「仲間」を知ります。

 

 自然災害は、無いことが一番良いことですが、苦しいときの「協力」を、父母様が子どもたちにも見せて欲しいと思っています。

 

 さて、10月22日に天皇陛下「即位礼正殿の儀」があり、日本の歴史を知る機会がありました。日本人として、日本の歴史、皇室の歴史、あるいは、自身の生い立ちを知ることは大切なことと想っています。

 

 幼児教育にも歴史があり、特に昭和31年に、当時の文部省から幼稚園教育要領として、6領域(健康、社会、自然、言語、音楽リズム、絵画製作)が示されたことは、大切にしたいと想っています。また、平成元年に6領域を5領域(人間関係、健康、言語、表現、環境)に変える改革がありました。 その後も幼稚園教育要領の改訂があり、平成29年度の改訂で、それまで5領域の人間関係の中に「友だちとの関わりの中で、言ってはいけないことや、してはいけないことがあることに気づく」という項目がありましたが、削除されてしまいました。

 

 現在は、この言葉の替わりとして、「よいことや悪いことがあることに気づき、考えながら行動する」になっています。 すると、相手から嫌がらせを受けたとき「やられたから、考えた結果、やり返した」という行動が、すぐに否定できなく成ってしまったのです。

 

 両親であれば「言ってはいけません」「してはいけません」ということが言えますが、 幼稚園教育要領が「曖昧」になることで秩序が乱れています。

 

 先日、ある保育雑誌を読むと「2歳児の給食バイキングで残飯減少」の記事がありました。2歳児に食べ物を選択させれば、残飯が減り費用が少なくて済む。無理矢理食べさせれば時間を要して、挙げ句の果てに「保育所に行きたくない」と言われてしまうというのです。 つい最近まで、保育所には学習指導要領はなく、認定こども園は、最近の法律の中で設置された施設であるため、幼稚園教育要領の内容を曖昧にして、保育所にも、認定子ども園にも使えるような教育要領に変えてしまったのです。

 

 私は、数年前まで、全日本私立幼稚園連合会の政策委員をしていたとき、当時の文部科学省の幼児教育課長と話をしたことがあります。 この役職(幼児教育課長)に就くには、並大抵の努力では就任できないポストです。ですから、就任したからには「功績を残したい」願望があるようです。 要するに、どこかの法律、制度、指導要領を変えたいのです。 その結果として、いつの間にか「友だちとの関わりの中で、言ってはいけないことや、してはいけないことがあることに気づく」が、削除されてしまったのです。

 

 それでは、現在、子育てをする者としては、どうしたらよいでしょうか。

 

 それは、幼児教育の歴史を知ることです。 昭和31年に作られた幼稚園教育要領は、戦後混乱の後、当時の幼児教育の専門家が苦心して作成したものです。 医学なら「昭和の医学は古い」と言えますが、幼児教育は「昭和」「平成」「令和」の良いところを取り入れた教育をすれば良いのです。 親子三代が理解できる、共通の教育をすることが大切なのです。

 

 父母様には、入園の際、昭和時代の幼稚園教育要領「第蕎蓮⇒鎮娜犇軌蕕瞭睛董(6領域・灰色プリント7枚)、平成元年改訂の幼稚園教育要領(1枚目人間関係、1番「喜んで登園し、先生や友だちに親しむ」(5領域・黄土色のプリント5枚)、そして、現在の幼稚園教育要領[平成29年告示]の小冊子(フレーベル館発行)を配布しています。

 

 是非、もう一度お読みいただき、ご家庭の教育方針と照らし合わせてください。 きっと今まで以上に、幼児教育の大切さが理解していただけるものと想います。

 

 追伸、上記資料をお持ちでない方は事務室までお申し出願います。(園長)